正しい掟というのは、自由へ導いてくれるものだけなのだ

かもめのジョナサン
著:リチャード・バック 訳:五木寛之
新潮文庫


★ 評価 100点

 かもめのジョナサンは、飛ぶ研究を重ねることで、
 偉大なる自由を手に入れる。

 普通のカモメは、魚を食べるために生きている。
 しかし、ジョナサンの目的は飛ぶ事。
 限界を越え、新しい飛行技術を次々と会得する。
 その度に、彼は自由を発見する
 群れの仲間から奇異の目で見られても、やめることはない。

   ・ぼくは自分が空でやれる事は何か、
   やれない事はなにかってことを知りたいだけなんだ(p11)

   ・<限界突破>のことを聞いたら、きっと大騒ぎして喜ぶぞ。
    漁船と岸との間をよたたと行きつ戻りつする代わりに、
    「生きる目的」が生まれたのだ。
    我々は無知から抜け出して自己を向上させることもできるし、
    知性と特殊技術をそなえた高等生物なのだと自認することも可能なのだ。
    我々は自由になれる!
    いかに飛ぶかを学ぶことが出来る!(p36)

    ・いまやわれわれは生きる目的を持つにいたったのです。
     学ぶこと、発見する事、そして自由になることがそれだ!(p39)

    ・彼のただひとつの悲しみは、孤独ではなく、
     輝かしい飛行への道が目前に広がっているのに、
     そのことを仲間たちが信じようとしなかったことだった。(p40)


 彼は群れから追放されるが、空の向こうで、同じ目的を持つ仲間に出会う。
 仲間から、新たな飛行術や瞬間移動を教わることで、さらに自由へと近づく。

    ・完全なるスピードとは、光の速さで飛ぶ事ではない。
     なぜなら、どんなに数字が大きくなってもそこには限りがあるからだ。
     完全なるものは、限界を持たぬ。(p66)

    ・瞬間移動の秘訣は、自分自身を、
     「限られた能力しかもたぬ肉体の中にとじこめられている哀れな存在」
     と考えるのをやめることにあった。(p75)

    ・ジョン、きみみたいに学ぶことをおそれないカモメに、
     私は過去1万年のあいだ出会ったことがないぜ(p79)


 最後には、彼は仲間のもとへと戻り、
 他のカモメに飛び方を教えるようになる。
 その過程で、彼は他人を愛することを学び、さらに自由へと近づく。

    ・カモメにとって飛ぶのは正当なことであり、
     自由はカモメの本性そのものであり、
     そしてその自由を邪魔する者は、
     儀式であれ、迷信であれ、またいかなる形の制約であれ、
     捨て去るべきである
     正しい掟というのは、自由へ導いてくれるものだけなのだ(p113)

    ・きみに必要なのは、毎日すこしずつ、
     自分が真の、無限なるフレッチャーであると発見しつづけることなのだ。
     そのフレッチャーがきみの教師だ。
     きみに必要なのは、その師の言葉を理解し、その命ずるところを行うのだ(p128)

    ・彼らが自分自身を見いだす手助けをするのだ。
     わたしのいう愛とはそういうことなんだ(p126)


興味深いのは、自由を求めることで、他人を愛することができるようになること。
ある小学校の校歌に
「ぼくのえがおが大切だから あなたのえがおも大切にするんだ」
という1節がある。
本当に素晴らしいものを手に入れたときは、他人にも分けてあげたくなるものなのだろう。
目に見えない「自由」であったとしても。
それが「愛」なのだと思う。


「正しい掟とは、自由へと導くものだけだ」
ジョナサンを追放した群れは、本当は、自分のしたいことをしていない。
彼らの「同胞の掟」とは、他人の価値観に身を委ねているだけだ。
他人の考えを正しいと思い込むことで、自分を不自由にしている。
それは、あまりにも勿体ない。


かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)
(1977/05)
リチャード・バック

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